※こちらは、2023年の記事を改訂したものです。

今回は、当院が長年推奨している「ゆるかかと歩き」の根拠となる考え方——「踵(かかと)への重心」について、できるだけわかりやすくお伝えします。

来院時にはさらに丁寧にご説明しますので、まずはざっくり読んでみてください。

そもそも、なぜ「かかと重心」なのか?

一説によると、江戸時代ごろまでの日本人は「踵重心、踵で立つ」ことを自然にしていたと言われています。
それが変わったのは明治時代以降とされています。
軍隊では行進が不可欠となり、その歩き方が広まっていったとされています。

実際、当院の歩行指導でも行進のように歩くことがあります。
ただ、ここで注意したいのは、
【つま先を使って歩いていた方は、床を蹴って足を上げるクセがあるということ!】

このクセが抜けてうまくいけば、ゆるかかと歩きに一歩近づけます。

「母指球で蹴って歩く」が引き起こす悪循環

ダッシュのスタート時に母指球へ体重をかけると、スピードが上がりますよね。スポーツ経験のある方なら身に覚えがあるはずです。私自身もそうでした。

しかし、歩行時に同じことをするのは逆効果です。

母指球に体重をかけて歩くと、次のような問題が連鎖して起こります:

1.前重心になり、骨盤前傾で足全体が内側に向いてくる
2.「過剰回内(オーバープロネーション)」という、足の誤った使い方が定着する
3.前足部(足の前側)に体重の2〜4倍もの負担がかかる
4.その結果、外反母趾・膝痛・股関節痛・腰痛・猫背・肩こり・首こり・偏頭痛など、全身の不調へとつながる
5.他にも、ふくらはぎやすねに大きな負担がかかることで、脚が太くなる・むくみ・冷え・疲れが取れないといった膝下のトラブルも起きやすくなる

「最近、足が疲れやすい」「何もない場所でつまずく」
——そんな症状を「年齢のせい」「疲れのせい」と片づけていませんか?

それは、足の使い方の問題かもしれません。

「かかとから着地して、親指で蹴る」は本当に正しいのか?

よく「かかとから着地して、小指側を通り、親指で蹴り出す」という歩き方が推奨されています。

たしかに、歩行中に重心が「かかとの外側→足の外側(小指側)→親指側」へと移動すること自体は、重心移動ライン(COP:Center of Pressure)として実際に起こっている現象です。
ただし、それはあくまで重心が”自然に通過するライン”を観察したもの。
「だから親指で蹴り出すべき」という話ではありません。

問題は最後の「蹴り出す」という動作です。

歩くだけなのに、なぜ蹴る必要があるのでしょうか?
その「蹴る力」が、親指の付け根(母指球)への過負荷を生みます。

歩行は、蹴り出す運動ではありません。重力と骨格を活かして、最小限の力で前進する動作です。

▶︎ COPとゆるかかと歩きの関連性はこちらにも記載しています

骨格から考える「ゆるかかと歩き」の理由

足の骨格(画像は右足)を見ると、身体を支える最下部の骨は【かかと・踵骨(しょうこつ:赤で囲った箇所)】です。

内側から見た右足
外側から見た右足
後ろから見た右足
※1:ポイント

踵骨(しょうこつ:かかと・赤で囲った箇所)
距骨(きょこつ:黄緑で囲った箇所)

その上に距骨(きょこつ:黄緑で囲った箇所)があり、さらにその上にすねの骨(脛骨・腓骨)が乗っています。

重力は真上から垂直にかかります。
ならば、体重は踵骨で受け止めるのが最も理にかなった構造です。

ポイントは、※1「踵骨の真上ではなくやや外側に体重をかけること。」
真上にかけると重心が内側に偏り、土踏まずが下がってしまいます。
骨格の形状から自然に導き出される、理にかなった重心位置です。

※1.画像を見るとお分かりになると思いますが、少し外側(右)に傾いています

この骨格の仕組み——つまりバイオメカニクスをそのまま活かした歩き方が、「ゆるかかと歩き」です。

「力を入れて立つ」より「力を抜いて立つ」——正しく立つためには、姿勢も大切です。
※私はよく「骨で立つ」と伝えます。
そしてその姿勢を保ったまま、無駄な力を抜いて歩くこと。

つまり、【最低限の筋力で立ち、歩ける状態】が、
身体にとって最も自然で楽な状態だと考えています。

だからこそ当院では、

  • 骨格構造に合った立ち方
  • 足へ負担をかけにくい歩き方
  • 無駄な力を抜く身体の使い方

を重視しています。

「ゆるかかと歩き」とは

ゆるかかと歩きとは、構造生体力学「バイオメカニクス」に基づいた歩行法です。身体にとって負担が最も少なく、理にかなった自然な歩き方と言えます。

  • かかと(踵骨)にしっかりと重心を置く
  • 全身の余計な力を抜いた「脱力」状態で立つ
  • その姿勢を保ったまま、自然に前へ進む
  • 母指球で「蹴り出す」動作をしない

実際に、当院の歩行指導でも行進のような動作練習を取り入れています。
ただし注意点があります——つま先で歩いていた方は、
床を蹴って足を上げるクセがついています。

このクセを意識的に手放すことが、ゆるかかと歩きへの第一歩です。

こんな症状・お悩みがある方へ

以下に心当たりがあれば、歩き方の見直しが改善のヒントになるかもしれません

  • 足が疲れやすい、夕方になると足がパンパン
  • 何もない場所でつまずく
  • 外反母趾・タコ・魚の目がある
  • 膝・股関節・腰に慢性的な痛みがある
  • 猫背・肩こり・首こりが続いている

はじめての方へ:トライアルコースのご案内

「自分の足がどんな状態か知りたい」「このまま放っておいて大丈夫か不安」という方には、トライアルコースをご用意しています。

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