かかと重心とは?正しい重心の置き方と体の変化|外反母趾専門 金沢フットケア
「かかと重心」が良いと聞いても、実際どうすればいいのか分からない方も多いと思います。
今日は、なぜかかと重心が大事なのか、そして体に何が起こるのかを、骨格の仕組みから分かりやすくお話しします。
※専門用語も出てきますが、ご来院の際はもっと分かりやすい言葉でお伝えしますのでご安心ください。
なぜかかと重心が大事なのか?
一説によると、明治以前の日本人の多くは、右手右足・左手左足を同時に出すような「なんば歩き」に近い、腰を落とした独特の歩き方をしていたと言われています。
それが明治の徴兵令をきっかけに一変します。集められた兵士たちのこの歩き方では隊列を組んでの行進に向かなかったため、軍隊の訓練やその後の学校教育を通じて、手足を互い違いに振る「西洋式」の歩き方へと矯正されていったそうです。
※実際、当院の歩行指導でも行進のように歩いていただくことがあります。
臨床の現場で見えてきたこと
ここから先は、私自身が臨床の現場で数多くの足を診てきた中で分かってきたことです。
多くの方が、少しでも早く歩きたい!という意識が働く中で、地面をしっかり踏ん張り、大股かつ足裏で床を蹴り出すように押し出す歩き方になっています。さらに、そうした歩き方があやふやな情報とともに見よう見まねで広まり、負担のかかる歩き方がより定着してしまっています。
この歩き方の特徴は、身体(重心)が先に前へ動き、足はそれに遅れてついてくる形になることです。いわゆる間違った歩き方です。
ここで注意したいのは【つま先を使って歩く癖がある方は、床を蹴って前へ押し出すクセがある】という点です。
もう一つ理由を挙げると、母指球(親指の付け根の関節部分)を踏みしめると体重を乗せやすいから、というのもあります。
このクセが抜けてくると、かかと重心・ゆるかかと歩きに一歩近づきます。
運動経験のある方ならピンとくると思いますが、ダッシュの際に母指球に体重を乗せて踏み出すと、スタートが速くなりますよね。私自身もそうでした。
※ちなみに、モデルさんのような優雅な歩き方を真似しようとしても、まず身体の使い方が全然違うので難しいはずです。プロの指導のもと、それに見合う身体づくりをして初めてできる歩き方です。私たちが行うゆるかかと歩きも、体の使い方自体が違います(今までより全然楽ですが・・)
ただし、【走ることと歩くことを一緒にしてはいけません】
大事なことなのでもう一度言います。
【走ることと歩くことを一緒にしてはいけません!!】
母指球に体重を乗せて歩くことのマイナス面と原因
走るときはOKなのに、なぜ歩くときに母指球へ体重を乗せるとダメなのでしょうか?
母指球に体重を乗せて歩くと、「前重心」の状態になり、足全体が内側を向くようになり「回内=内にねじる動き=これは正しい動き」に、問題なのはこの「内ねじりの足は骨格がやわらかい状態」という事です。
やわらかい骨格の状態で、本来「運動のためのエネルギー」を生み出すための母指球に、歩行のたびに体重を乗せることになるので、体重の2〜4倍もの負荷がかかります。
この負荷で、より骨格は崩れます。これが【過剰回内】という間違った足の使い方になり、負のスパイラル(悪循環)が始まってしまうのです。
その結果として現れるのが、外反母趾をはじめとする足のトラブル、さらに膝痛・股関節痛・腰痛・猫背・肩コリ・首コリ・偏頭痛……挙げればきりがないほどの不調です。
「足が疲れやすい」「何もないところでつまずく」という方は要注意です。
「歳のせいかな」「疲れてるのかな」と考えがちですが、実はまったく違います。
その足の使い方が原因で起きている不調なんです。ここは声を大にして言いたいところです。
かかと重心にすると、体に何が起こる?
では実際に、かかと重心を意識できるようになると体はどう変わるのでしょうか。
前足部にかかっていた体重の2〜4倍もの負荷が減少され(使い方が変わるので)、足そのものの疲れにくさが変わってきます。
さらに足だけでなく、膝・股関節・腰・肩・首まで連動して負担が減っていくのが、かかと重心の一番のメリットです。足は身体の一番下の土台なので、土台の使い方が変わると、その上に乗っている全身の使い方も自然と変わっていくからです。
ただし、これまで前重心の歩き方に慣れていた身体にとっては、かかと重心は最初「新しい使い方」になります。
人によっては、切り替えの過程で今まで使っていなかった筋肉に気づいたり、一時的に違和感を覚えたりすることもあります。これは身体が正しい使い方を覚えていく過程でよくあることなので、心配しすぎなくて大丈夫です。
歩き方が崩れてきたなと感じた時に、鏡でご自身の姿勢を確認しながら都度直していく、というくらいの気持ちで十分です。
【ゆるかかと歩き】を推奨する理由
先に結論から言うと、これが外反母趾を始めとした足のトラブルや慢性的な症状の改善になるからです。
さて、私たちが推奨する【ゆるかかと歩き】は、その名の通り「かかとに重心を置き、脱力した状態で歩くこと」です。なんのこっちゃ?と思われるかもしれないので、もう少し説明しますね。
ご来院の方によく聞かれるのが「普通は『踵から着地して小指を通って親指で蹴る』と言われるよね」という一般的な歩き方の説です。
確かによく聞く説ですが、それだと親指に無駄な力がかかっていませんか?そこがいつも疑問に思う点です。歩くだけなのに、なぜそんなにエネルギーが必要なのでしょうか。
最後に親指で「蹴る」必要が、そもそもあるのでしょうか?いえ、蹴るからこそ、親指の付け根(母指球)に負担がかかってしまうんです。蹴っちゃダメなんです!
【補足】COP(Center Of Pressure):歩行時における足裏の重心(体重)の移動軌跡のこと。かかとの外側から着地し、小指側を通って親指へ抜けていきます。
結論から言うと、脱力した「ゆるかかと歩き」がいい理由は、足への負担(特に親指の付け根)が段違いに軽くなるからです。これは私自身が身をもって感じたことです。
※詳しくはプロフィールの最後に記載しています。興味のある方はぜひご覧ください。
人間にとって、とても自然で理にかなった姿勢と歩き方
下の画像は右足の骨格です。見ながら読み進めてください。
身体の一番下にある骨は何でしょうか?足ですね、では足の最も下にあるのは?はい、かかとです。
内側から見た右足 |
外側から見た右足 |
後ろから見た右足 |
もう少し細かく言うと、
膝から足首までの骨は2本あり、
「下腿骨=脛骨(けいこつ・太い骨)と腓骨(ひこつ・細い骨)で成り立つ」の外側と内側の出っ張りをそれぞれ「くるぶし」と言い、
「くるぶし(内踝・ないか/外踝・がいか)」の下に
「距骨/きょこつ(画像:黄緑で囲った箇所)」という骨があり、その下に
「踵骨/しょうこつ・かかと(画像:赤で囲った箇所)」があります。
ここに【体重・重心】を置くのが、骨格として一番理にかなっている場所です。なんとなくでもご理解いただけたでしょうか。
「そんなの当たり前だろ!」と思ったあなたに、一つ質問です。あなたは本当に、かかとの骨の上に正しく体重・重心をかけられていますか?
実はこの骨には、真上から垂直にではなく、少し外側にかける必要があります。骨格の構造上、垂直に体重をかけようとすると、若干内側に体重が乗ってしまい、土踏まず辺りが下がってしまうためです。
そして、正しく体重をかけるための立ち方(姿勢)があり、その姿勢を保ったまま歩くことが重要になります。全身をほぼ脱力して立ち、脱力したまま歩く。最低限の筋力で立ち、歩くことが一番楽なのは、考えてみれば当然のことですよね。
だからこそ、骨格構造上理にかなった、より自然な骨格の使い方である【かかと重心・ゆるかかと歩き】を、私たちは強くおすすめしています。
「自分の足の状態を知りたい」「このままだと将来が不安」——そんな思いをお持ちの方には、【トライアルコース】をご用意しています。
気軽にご予約ください。
※こちらは、2026/9改訂版となります



